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HOW THE WEST WAS WON

TITLE: HOW THE WEST WAS WON (4EP BOX SET)

RELEASE DATE: October 27th, 2008
LABEL: Vibrant [CATALOGUE No.: VIBEBX010]


収録曲目(Tracklisting)  

Disc 1 : The Thing I Like Best About Him Is His Girlfriend EP

1. The Thing I Like Best About Him Is His Girlfriend [Jet Age Remix]
2. The Thing I Like Best About Him Is His Girlfriend [Gr's Man-Made Island Edition]
3. The Thing I Like Best About Him Is His Girlfriend [Acoustic Version]
4. The Thing I Like Best About Him Is His Girlfriend [Santa Monica And La Brea Version]

Disc 2 : Don't Take Me Home Until I'm Drunk EP

1. Don't Take Me Home Until I'm Drunk
2. Don't Take Me Home Until I'm Drunk [Team Wah Wah Remix]
3. Don't Take Me Home Until I'm Drunk [Acoustic Version]
4. Pinch, Twist, Pull, Release

Disc 3 : Santa Ana Winds EP

1. Santa Ana Winds [Edit]
2. Hulk Loves Betty
3. Drink You, Eat You
4. Twenty Jackies

Disc 4 : Holly Jolly Hollywood EP

1. Holly Jolly Hollywood [Featuring Simone White]
2. Holly Jolly Hollywood [Acoustic Version]
3. White Christmas
4. Back For Good



作品概要/解説  

ザ・ウェディング・プレゼント(以下通称のTWPとして表記)名義のスタジオ・アルバムとしては通算8作目となる2008年作『EL REY』が制作されたシカゴのElectrical Audioスタジオでのレコーディング・セッションではスティーヴ・アルビニのエンジニアリングにより、アルバムに収録されたものも含めて合計17曲が録音された(そしてスタジオの空き時間で、レコーディング前まで行われていたデビュー作の『George Best』20周年記念ツアーの勢いもそのままに同作品をスタジオ・ライヴ形式で再レコーディングした事も後日明らかになっている)。そのセッションからアルバム『EL REY』から漏れた楽曲を含め、4枚のEPという形でまとめたボックスセット。何と1,000セット限定生産、うち一般流通分が500セットという冗談の様な僅少生産となったが、後日このボックス収録のクリスマス・ソング"Holly Jolly Hollywood"(Disc 4の#1-3)を単独のEPとして、残りの3枚とTake Thatのカヴァー・ソングDisc 4 #4をアルバムとしてiTunes Storeでも配信を開始したので、音源だけなら容易に聴けるようにはなった。『EL REY』がCineramaを経由したTWPの進化型を示したものだったのに対し、こちらはアプローチ的、アレンジ的にCinerama後期の面影を残した様な雰囲気のトラックも多く、『EL REY』の世界観とは合わなかったものの、お蔵入りさせるには勿体ない良質な楽曲が揃っている。短い時間の中にいくつもの仕掛けを設けた"Twenty Jackies"、ライヴでも披露済みだった"Drink You, Eat You"も印象深いが、やはり特筆すべきは今や新たなクリスマス・クラシックとなった感もある"Holly Jolly Hollywood"だろう。Terry de Castroとは旧知のカリフォルニア出身のシンガー・ソングライターであり、実はCineramaの2000年のシングル"Manhattan"でもナレーションでフィーチャーされていたSimone Whiteをゲスト・ヴォーカルに招いた、デュエット・ソング。『EL REY』収録曲に代表されるライヴ映えする極上のギター・ロックもあれば、こういうさり気ないけれど、とてもキャッチーなポップ・ソングもレパートリーとして存在しているところが、デイヴィッド・ゲッジというソングライターの希有な才能を象徴していると思う。
 それにしても、こういうファンでさえ簡単には入手できない特殊なリリース形式にしたのは、現在のTWPの好調ぶりを考えればあまり得策だったとは思えない。今後何らかの形で1CDのコンピレーションとして再発して欲しいものだ。

 なお、アルバム・タイトルは今回もCINERAMA時代から続くシングルズ・コンピのネーミングの法則に則ったもの。シネラマ方式で作られた映画作品に由来したもので、日本では「西部開拓史」のタイトルで知られる1962年公開米作品『How The West Was Won』から取られている。

※CINERAMA時代から続くシングルズ・コンピのネーミングの法則とは?
 CINERAMAに関しては2000年の『This is Cinerama』がバンド名の由来となったシネラマ方式で制作された映画の第一作目となった『これがシネラマだ(原題"This Is Cinerama"/1952年)』、2002年の『Cinerama Holiday』が同方式映画の第二作目『シネラマ・ホリデー(原題"Cinerama Holiday"/1955年)』、そしてTWP再生後の『Search For Paradise』が同方式映画の第四作目となる『世界の楽園(原題"Search for Paradise"/1957年)』の原題からそれぞれ取られている。『西部開拓史(原題"How The West Was Won")』はシネラマ方式の映画としては劇場公開作品の第一弾となったものでもあった。ちなみに未だリリースされる気配の無いCINERMA後期の未アルバム化のシングル5枚を集めたコンピレーションのタイトルは、この法則に則れば、順当に行けば同方式の第三作目『世界の七不思議(原題"Seven Wonders of the World"/1956年)』から取られるのでは無いかと予想しているのだが、果たして?

収録曲解説  


Disc 1は『El Rey』からの先行シングルとしてiTunes Storeなどダウンロード販売限定でリリースされた「The Thing I Like Best About Him is His Girlfriend」EPをそのまま収録。4曲中3曲が公式には初CD化。これまでメディア向けに配布されたプロモCD-Rがebayなどで法外な高値で取引されていたが、これでその騒ぎも終息することになった。

Disc 2は2009年の来日公演でも演奏された「Don’t Take Me Home Until I’m Drunk」を表題曲にしたもので、PVも制作された。同曲のリミックス2曲にSteve Albiniの元で行われた『El Rey』のレコーディング・セッションで録られた未発表曲"Pinch, Twist, Pull, Release"が初登場。

Disc 3『El Rey』の冒頭を飾った「Santa Ana Winds」EPは全曲初登場。『El Rey』のオープニング・トラックだったタイトル曲はイントロのS.E.が編集されたエディテッド・ヴァージョン。以下の3曲の未発表曲はこれもまた『El Rey』セッションから。

最後のDisc 4は1992年の『THE HIT PARADE』シリーズで発表された「No Christmas」以来となるオリジナルのクリスマス・ソングを収録したEP「Holly Jolly Hollywood」。書き下ろしの新曲であるタイトル曲はカリフォルニア出身の女性シンガー・ソングライター、Simone Whiteをフィーチャー。この曲は『El Rey』セッションの未発表曲ではなく、THE CUREへのトリビュート・アルバム『JUST LIKE HEAVEN - A TRIBUTE TO THE CURE』に収録されるカヴァー"High"のレコーディング・セッションで録られたもの。3曲目の"White Christmas"はビング・クロスビーでおなじみのクリスマス・スタンダード。奇しくも、ビング・クロスビーは本作のアルバム・タイトルの由来となった作品『How The West Was Won』の映画化権利を所有していた方でもあります。4曲目はiTunes版の『El Rey』のみに収録されていたボーナストラックの初CD化となる"Back for Good"。一昨年の8月にBBC Radio 1のオール・カヴァー・セッションで披露した事があるTake Thatの"Back for Good"のカヴァーです。オリジナルは1995年の大ヒットで、このボーイズ・グループにとっての全米での最大のヒット曲。

外部リンク  

関連ニュース  

(last modified : 25th Jan, 2009 / first published : 10th Dec, 2008)

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First published on the internet in February 1998