- The Wedding Present 2019年リリースをおさらい [2019/12/31]
『Bizarro』同様に発売30周年を迎えたウクレイニアン・フォーク・セッション新装版やニューシングルなど、今年も様々なリリースがありましたが、改めてその全リリースを紹介いたします
・Marc Riley Sessions Volume 3 (2/15) 今年前半は英リーズのHatch RecordsからのBBCセッション音源のリリースが相次ぎました。まずはすっかりおなじみBBC 6 MusicのMarc Rileyの番組出演時のザ・ウェディング・プレゼントのレディオ・セッション音源をまとめたコンピレーションの第3弾。2015年11月5日放送分と2016年9月8日放送分の2回分のセッションがまとめられており、2016年の大傑作『Going, Going...』期の大変充実したセッションが堪能できますが、何と言っても未だスタジオ・レコーディング版では未発表の007映画のテーマ曲カヴァー、"You Only Live Twice"が出色の出来。
・Live 2017 [Part 2] (3/22) 自身のレーベルScopitonesからはここ数年CDとDVDの2枚組セットで様々なライヴ作品がリリースされていますが、3月にはこれが3回目にして最後と銘打った『George Best』全曲再現ツアーの文字通りの最終公演であった、英リーズ2017年12月9日の公演を全編収録した『Live 2017 [Part 2]』がリリース。言うまでもなくデイヴィッド・ゲッジそしてザ・ウェディング・プレゼントの生誕地でのライヴですから、盛り上がらないわけがない、素晴らしい一夜の記録。ちなみにタイトルが[Part 2]となっているのは発売順は前後するものの、この2ヶ月前の10月14日英ロンドンCadogan Hall公演が[Part1]としてリリース予定のため。
・Davni Chasy [7" vinyl Record Store Day release] (4/13) BBC Radio 1のJohn Peel Showでの2回のウクレイニアン・フォーク・セッションをまとめた企画作『Ukrainski Vistupi V Johna Peela』の発売30周年に合わせ、英Hatch Recordsから2枚のカタログがリリースされましたが、まずはレコード・ストア・デイ向けに用意された1枚。当時プロモーション盤のみが制作された「Davni Chasy」の7インチ盤が、TWPのRCA時代のカタログの大半のジャケット・デザインを手がけたJonathan Hitchenが新規に制作したアート・スリーブと共に、公式には初めてリリースされました。
・The Complete Ukrainian John Peel Sessions (4/26) そして『Ukrainski Vistupi V Johna Peela』本編も新規リマスター&全セッション収録かつこちらもJonathan Hitchen制作による新装アートワークで再発。2014年のEdselからのExpanded Editionシリーズでなぜかスルーされていた重要作が漸くきちんとした形でまとめられて、感無量の1枚となりました。余談ですが、かつての10インチ・ヴァイナル版はブックレットはCD盤のものがそのまま付属していてかなり不満が残る体裁だったのですが、今回の12インチ・ヴァイナル盤はちゃんとブックレットもLPサイズで制作されていて、CDとボーナスDVDもバンドルされているので、かなり満足度が高いものに仕上がっています。
・Go Out and Get 'Em Boy! [7" vinyl reissue] (4/26) 1985年5月24日にリリースしたデビュー・7インチ・シングルが英プレストンを拠点とするインディーズ・レーベルOptic Nerve Recordingsからオリジナル盤同様のアートスリーブで500枚限定で再発。2020年3月にはセカンド・シングルの"Once More"も再発されることが決定しています。
・Jump In, The Water’s Fine (8/2) 2019年7月9日・10日に行なわれた東京公演の会場でも先行販売されたのが、今年純然たる新曲としては唯一のリリースとなったこのシングル。昨年10月のライヴで初披露されて以降、BBC 6 MusicのMarc Rileyのプログラムのセッションでも演奏されるなど評判を呼んでいた2曲"Jump In, The Water's Fine"と"Panama"がカップリングされ、英リーズのCome Play With Meからリリースされました。10インチ盤はバンド史上初となるピクチャー・ディスク仕様で発売されたのも話題に。"Panama"の歌詞にちなんだアポロ8号ミッションをテーマにしたアートワークはHefnerのDarren Haymanが担当。ちなみにレコーディングは2018年夏にここ数作で使用している英ウェールズのMonnow Valley Studio(残念ながら経営難に陥っていて、現在売却先を探していることが報じられました)で行なわれていますが、本作収録曲を含め同一セッションで録音されたカタログが順次リリースされています。
・Tommy 30 (8/9) もう1枚、そのMonnow Valley Studioでのレコーディングで録音されたマテリアル。一昨年の『George Best 30』と同じ様なコンセプトで、今度は1988年の名コンピレーション『Tommy』全曲を、発売30周年を機に新たに再録音した作品です。日本盤もボーナス・トラック入りで発売され、こちらも2019年7月9日・10日に行なわれた東京公演の会場で超先行販売されたのも嬉しかったのですが、他にもインディー・ショップ限定仕様のヴァイナル盤やU.S.限定のヴァイナル盤などなど、様々なヴァリエーションが用意されていて、ファンにとってはかなり悩ましいものでもありました。
・Live 2010: Bizarro Played Live In Germany (9/6) 7月の『Bizarro 30』公演の興奮も冷めやらぬ中、以前行なわれた『Bizarro』全曲再現ツアーからの音源が自身のレーベルScopitonesからリリース。同作21周年記念ツアーの一環となった2010年10月24日、ドイツMunich公演でのライヴを収録したもので、2010年と言えば言うまでもなく日本で唯一行なわれた全曲完全再現ライヴを収録した名ライヴ盤『Bizarro : Live in Tokyo 2010』がありましたが、こちらは2012年のスタジオ・アルバム『Valentina』制作時のメンバーになってから間もない時期のライヴということもあって、同作に収録されることになる当時の新曲が聴きどころとなっています。
・George Best [2019 reissue]
・Tommy [2019 rerissue] (10/11) 2018年からスタートした英国のNational Album Dayに合わせて、Play It Again Samから初期Receptionからの2作が再発。それぞれカラー・ヴァイナルであること以外は、特筆すべきことはあまり無いので、興味があればどうぞ。
・Something Left Behind [DVD&Blu-ray] (12/13)
一昨年クラウドファンディングで制作と劇場公開が実現したドキュメンタリー映画『SOMETHING LEFT BEHIND』の出資者向けのリワード(特典)として配布されたフィジカル盤がようやく一般販売を開始しました。これはザ・ウェディング・プレゼントに興味のある方にはぜひともご覧いただきたい1作ですが、NTSC方式に対応した映像は今後ストリーミング/ダウンロード版で提供される予定です。
さあ、2020年はニュー・シングルなど、スタジオ録音の新曲発表が期待されますが、またもや登場の様々なライヴ音源や『Marc Riley Sessions』の続編もきっとリリースされることでしょう。皆様どうぞよいお年を!
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